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体温調整

「寒いから布団かけて!」と言った3分後には「暑い!!」と怒鳴る。

怒鳴られるから私も父もイライラする。

手だけが寒いとか、体は寒いのにお腹だけ火照るとか言っていた。

「ここだけに毛布を掛けて頭は冷やして。あー!お腹には掛けないで!!靴下は2まい履かせて。

キンキンの氷水ください。」などなど注文も相変わらず多い。

エアコンの管理にうるさくなり良く父とけんかをした。

介護施設で働いていた時に思ったのは

とにかく皆さん「寒がり」

汗をかいていても「寒い」と着込んでくる。真夏でも毛皮のコートの方も見えたし

エアコンの風が吹くと「寒い。」と感じる方もみえた。

「汗かいてるから一枚脱ぎませんか?」と声をかけたりしてはけんかになるので

私が薄着になり「さむーい。今日、暑いと思って薄着で来ちゃって。その上着、貸してもらえませんか?」とお願いするとすんなりと貸して下さる。

そうなんです。高齢者の方はとにかく優しいのです。

以前、膝が破れたジーンズをはいていたら「お母さんいないの?」と言いながらご自分のズボンを貸してくれた。

残念ながらデブな私にはとうてい履けないサイズで一緒に笑ったり。なんてこともあった。

だから母が「暑い。」「寒い。」を繰り返すのは

暑いと寒いの意味がわからなくなったの?とか

単に私や父を呼びよせるため?と思っていたが

受診の際、医師に相談すると「体温調整ができなくなってきている。」と言われた。

どうも良くあるらしい。

介護職をしていたがこんなに医療にうとい私に自分でがっかりした。

それからはなんだか変な恰好になるけど母の好きなように言われるがままにした。

足先は常に寒いようで冬は紫いろになってしまうので

毎日「足浴」をした。

これはとても喜んでくれた。「贅沢だねえ。」といつも嬉しそうで

「娘がやってくれるんだよ。」と訪問看護さんにも話していた。

ただ父にはそんな母の体調を説明しても理解するのが難しく母が亡くなるまでそれらの細かいお願い事についてはいつも「俺を少しは休ませる気にならんのか!」怒っていた。

父にお願いすると怒るから私に頼み事は言うように母に伝えたが「あんたにはもうこれ以上頼めんよ。」と最後まで気を使われた。

母はとてもよくできた嫁だったと思う。だからきっと私にも娘である前に嫁であってほしいと思っていたと思う。

父にも夜間「私が母の隣で寝る。」ということは最後の1か月しか許可してくれなかった。

なんだかんだ夫婦っていいなと思った。

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この記事を書いた人

腹膜偽粘液腫の母を在宅で看取り認知症の父と旦那さんと暮らす介護離職した元介護福祉士。
更年期、50肩、足底筋膜炎と網羅した私です。

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